大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和42(さ)7 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

被告人を罰金二万五、〇〇〇円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金五〇〇円を一日に換算した

期間、被告人を労役場に留置する。

理 由

呉簡易裁判所が、被告人に対する傷害被告事件(同庁昭和四一年(い)第二八三

七号)について、同年五月二〇日付の略式命令により、被告人が一個の傷害の罪を

犯した事実を認定し、刑法二〇四条、罰金等臨時措置法二条、三条、刑法一八条を

適用して、同人を罰金四万円(その不完納の場合は金五〇〇円を一日に換算)に処

し、右略式命令が同年六月四日確定したことは、記録に徴して明らかである。

ところで、刑法二〇四条、罰金等臨時措置法三条一項一号によれば、傷害罪の法

定刑のうち、罰金の多額は二万五、〇〇〇円であるから、これを超過して被告人を

罰金四万円に処した右略式命令は、法令に違反し、しかも被告人にとつて不利益な

ものであることは明白といわなければならない。

よつて、刑訴法四五八条一号但書により、主文第一項のとおり原略式命令を破棄

し、被告事件についてさらに判決することとする。

原略式命令によつて確定された傷害の事実に法令を適用すると、右事実は刑法二

〇四条、罰金等臨時措置法三条一項一号に該当するから、所定刑中罰金刑を選択し、

所定罰金額の範囲内で主文第二項のとおり被告人を罰金二万五、〇〇〇円に処し、

換刑処分については刑法一八条に従つて主文第三項のとおり定め、主文のとおり判

決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 平出禾出席

- 1 -

昭和四二年一一月三〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

裁判官 大 隅 健 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!